花は毒にも薬にも…
こんにちは、花崎です。<br />
紫陽花が綺麗な季節になりましたね。<br />
<br />
そんな季節に似つかわしくない六いを一つお届けします。<br />
今までにない短さ…SSというのでしょうか?<br />
<br />
「Read more」よりどうぞ
紫陽花が綺麗な季節になりましたね。<br />
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そんな季節に似つかわしくない六いを一つお届けします。<br />
今までにない短さ…SSというのでしょうか?<br />
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「Read more」よりどうぞ
<div style="margin: 0pt">【かみさまでもえらべない】</div>
<div style="margin: 0pt"> </div>
<div style="margin: 0pt">さらさらと手の内からこぼれる火薬を目に写しながら、<br />
あぁ、このままでは湿ってしまうとどこか他人事のように思う。</div>
<div style="margin: 0pt">ついたての向こう側から普段であれば聞かぬ音を気にしてか、<br />
ひょっこりと顔を出したやつが困ったように笑いながら、疲れたならやめろ、と声をかけてきた。</div>
<div style="margin: 0pt">疲れたわけでもなんでもないのだが、調合する為の頭が回らない。</div>
<div style="margin: 0pt">最低限の量で最大限の効果が出ねば意味がないと、ずっと思いながらやっているのに。</div>
<div style="margin: 0pt"> </div>
<div style="margin: 0pt">さらさらさら</div>
<div style="margin: 0pt"> </div>
<div style="margin: 0pt">「もうやめたらどうだ。」</div>
<div style="margin: 0pt">「ん?」</div>
<div style="margin: 0pt">「もう頭回ってねぇだろ。」</div>
<div style="margin: 0pt">「そうだ、な。」</div>
<div style="margin: 0pt"> </div>
<div style="margin: 0pt">持ち上げては落とす、流れるように落ちる火薬や丸めているがためにころころと広がるものと、<br />
それはこの小さな空間の中で星を散りばめているようで思うより楽しい状況ではある。</div>
<div style="margin: 0pt">(光り瞬きもしないが、思うとおりに出来上がったらそれは酷く嬉しい)</div>
<div style="margin: 0pt"> </div>
<div style="margin: 0pt">「明日、町にでもいくか。」</div>
<div style="margin: 0pt">「お前のおごりなら良い。」</div>
<div style="margin: 0pt">「それでもいいな、」</div>
<div style="margin: 0pt"> </div>
<div style="margin: 0pt">そう、喉の奥でくつくつと笑う声が耳に届いた。<br />
<br />
<br />
<br />
終</div>
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<div style="margin: 0pt">さらさらと手の内からこぼれる火薬を目に写しながら、<br />
あぁ、このままでは湿ってしまうとどこか他人事のように思う。</div>
<div style="margin: 0pt">ついたての向こう側から普段であれば聞かぬ音を気にしてか、<br />
ひょっこりと顔を出したやつが困ったように笑いながら、疲れたならやめろ、と声をかけてきた。</div>
<div style="margin: 0pt">疲れたわけでもなんでもないのだが、調合する為の頭が回らない。</div>
<div style="margin: 0pt">最低限の量で最大限の効果が出ねば意味がないと、ずっと思いながらやっているのに。</div>
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<div style="margin: 0pt">さらさらさら</div>
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<div style="margin: 0pt">「もうやめたらどうだ。」</div>
<div style="margin: 0pt">「ん?」</div>
<div style="margin: 0pt">「もう頭回ってねぇだろ。」</div>
<div style="margin: 0pt">「そうだ、な。」</div>
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<div style="margin: 0pt">持ち上げては落とす、流れるように落ちる火薬や丸めているがためにころころと広がるものと、<br />
それはこの小さな空間の中で星を散りばめているようで思うより楽しい状況ではある。</div>
<div style="margin: 0pt">(光り瞬きもしないが、思うとおりに出来上がったらそれは酷く嬉しい)</div>
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<div style="margin: 0pt">「明日、町にでもいくか。」</div>
<div style="margin: 0pt">「お前のおごりなら良い。」</div>
<div style="margin: 0pt">「それでもいいな、」</div>
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<div style="margin: 0pt">そう、喉の奥でくつくつと笑う声が耳に届いた。<br />
<br />
<br />
<br />
終</div>
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