忍者ブログ
花は毒にも薬にも…
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

はちらいに挑戦しました。
限りなくらいはちっぽい雰囲気がするんですが・・・。
はちらいと言い切ります。

◆注意事項◆
・現パロ
・なんだか甘い(当社比)
・ボ○ロっぽい(笑)
 ・・・ロ/ミ/オ/と/シ/ン/デ/レ/ラのアナザーを聞きながら考えていたからかとおもわれます。

上記、問題のない方は「Read more」よりお進みくださいませ。

どうか、貴方のねがいが叶いますように

 
「右手?左手?」
親指と人差し指で持ち上げた小さな輪を目の高さまで持ち上げて、三郎はことりと首をかしげた。
大人びた雰囲気とはことなり、とても幼いその仕草に雷蔵は微笑んだ。
三郎が持ち上げた輪と同じものが、雷蔵の持つ箱にも収められている。
しっとりと己を主張するものは、三郎が手に持つもののほうがほんの少し鈍い色を放っている。
「三郎の好きなほうでいいんじゃない?」
うーん、うーんと雷蔵は常の己を見ているようで、あえてどちらとも言わずに言葉を返した。
真剣にその輪を見つめて、三郎は1つ何かを決意したように息を吐いた。
「じゃ、雷蔵決めてくれ。」
ずいっと差し出された小さな輪を勢いのまま受けとり、そうして雷蔵はしばしその輪をみつめる。

 

ピンキーリングを買おうと言い出したのがどちらかだったか。
もう忘れてしまった。
存外、おそろいというものに強い憧れを持っていた三郎は、一緒に出かけるたび、わざとアクセサリー売り場ではゆっくりと足を進めた。
その分かりやすい主張に、雷蔵が「買うの?」と聞いても、曖昧に笑って、もしくは、何事もなかったように足を進め通りすぎる。
(ほしいならほしいといえば良いのに)
いえる性格ならば当の昔におそろいのものが共に指にあるのだろうと分かっていても、恥ずかしさが先にたち、雷蔵も己から一歩進むための言葉を告げることは無かった。

 
『ねぇ、雷蔵。』
『なぁに?勘ちゃん。』
『おそろいって嫌い?』
『三郎?』
『いやさぁ・・・ずぅっと悩んでいるみたいなんだよね。』
だからさ、
(雷蔵から水むけてやってくれないか、か)
世話焼きな友人は存外、本人が思っているよりも三郎に甘い。

 
「雷蔵さん。」
おーい、と目の前で手を振られ、雷蔵は思考の海から浮き上がると、ごめんねと笑った。
「決まった?」
「うん。」
「どっち?」
「みぎて。」
ほら出して、と雷蔵が急かせば、三郎は少しくすぐったそうにその手を差し出す。
薬指にこの先、輪が輝くことは無いだろうけど、代わりに小指に光が宿る。
「どうして?」
「知りたい?」
悪戯っぽく笑ってみせて、雷蔵は三郎の指に光る輪をゆっくりと撫ぜる。
撫ぜる指を見ていた三郎が少し迷って、
「雷蔵も右手?」
そう笑った。
「ううん、僕は左手。」
三郎が止めるより早く、雷蔵は己の指に静かに輪をつける。
そうして、残念そうな顔をしている三郎の右手をとる。
「雷蔵?」
問う声に答えぬまま、雷蔵はその手にそっと顔を近づける。
(三郎が右、僕が左。意味なんて教えないよ)

 

「どうか、貴方のねがいが叶いますように。」

 
どこぞのお姫様にするようにその手に静かに口付け、そっと顔を上げれば少し顔を背けながらこちらを見る、真っ赤になった三郎と目があった。

 
Fin

 

ピンキーリング。
右は三郎、左は雷蔵。
指輪と指には色んな解釈があるので、花崎的解釈でやらかしてみました。
右手は現実の願いを、左手は心で思う願いをかなえてくれるそう。
雷蔵は三郎の願いが叶うことが自分の幸せだと思っていればいい。

 
お読み頂きありがとうございました。

拍手

PR
 HOME | 21  19  18  17  16  15  14  11  10  9  13 
Admin / Write
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新CM
最新TB
プロフィール
HN:
花崎
性別:
女性
職業:
会社員
趣味:
ひとり旅・読書etc
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
忍者ブログ [PR]